7月24日(土)午後、岐阜市の岐阜勤労会館でコミュニティユニオン東海ネットの交流会が開催されました。コロナ禍でもあり、会場への参加の他にZOOMで参加もありました。
交流会最初は名古屋共同法律事務所中谷雄二弁護士の講演会「定年後再雇用者の不合理な待遇格差の是正のために」。講演に続いて、各ユニオンの現状報告と課題、問題点にたいする話し合いがあり
1時30分から約3時間の短い交流会ではありましたが、Face to faceでの久ぶりの会合に参加した私たちも刺激をもらいました。
開催当日の午前中は女性ユニオン名古屋の提案により、別室で加盟ユニオンの有志女性組合員での交流会を開きました。
目的としてはコロナ禍が続き、情報交換の場も少なくなっている状況下で、まずは知り合いになること。各ユニオンの抱えている問題を出し合い、
女性固有の問題で協力できることはないか話し合い、支援と運動両輪で活動していけるようにしていくきっかけとすることです。
中谷雄二弁護士
「定年後再雇用者の不合理な待遇格差の是正のために」を聞いて ~名古屋自動車学校判決の意義~
正社員と非正規労働者との賃金格差・処遇格差については、旧労働契約法20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)の下で、
格差が合理的かどうかをめぐって最高裁でいくつかの判決が出されています。それらの判決はいずれも、職務内容・責任等と関連性のある労働条件
(基本給、賞与、退職金など)に関しては「格差があってもやむを得ない」と均衡を求める一方、関連性のない労働条件(休暇や通勤手当・作業手当など)
に関しては均等としなければならないとしてきました。それに対し、今回の名古屋自動車学校判決(2020年10月28日 名古屋地裁)では、
定年退職前の給与と退職後の嘱託職員の給与との格差について、「定年後の雇用においては給与が減額されるのは当然」という社会的容認論を退け、
「基本給及び賞与について退職時の60%を下回る限度」で不合理を認め、現在の支給額との差額の支払いを命じました。この判決は、
従来の判決を越え基本給や賞与における格差に踏み込んだという点で画期的な判決といえます。これに加え本判決の大きな意義はもう一つあります。
それは、この判決が格差の不合理性の判断に「労働者の生活保障」という観点を導入した点です。これまで格差については職務内容や責任、
配置の変更範囲といった要素で判断され、裁判において正規・非正規の処遇格差の壁を乗り越えることがなかなかできませんでした。それに対し、
今回の判決は非正規労働者(ここでは退職後の嘱託職員)の賃金水準が生活できるような水準にないことを問題にしました。判決がこの視点を導入したことは、
あまりにも低い賃金水準に苦しむ非正規労働者を抱えるユニオン運動にとっては重要な意義をもつものといえます。
それに応えるためには何をもって「生活できる賃金水準か」を議論してくことが今後の課題といえそうです。
中谷弁護士が強調していたように、旧労働契約法20条も、それが改正されたパート・有期労働法8条(不合理な待遇の禁止)も、
「正社員を非正規労働者より優位的に扱うのは当然」といった規範を変えるためにつくられた強制法規であることに確信をもって、
この法律を活用していくことが求められているといえます。

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